プログラム
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6.特別企画
1) | 日本消化器外科学会の現状の課題と将来 日本の医学教育・医療の現場においては,高齢化社会,経済力の停滞,一定の格差・利益追求誘導推進型の行政指導・社会的風潮などの国家的な背景に加えて,国公立大学・病院の独立法人化にともなう病院経営の重視,初期臨床研修制度の導入,保険負担医療費の削減,医療事故・過誤・ミスという形での医療訴訟数の増加,などの課題を抱え,会員の大多数を医師とする学術団体であるがゆえに日本消化器外科学会を牽引する役員へ重くのかかるものは少なくない.日本消化器外科学会として,国民および会員に対し責任ある解決と前向きの展開のための将来の方向性を間断なく示し続けなければならない今日,その主な課題を抽出し,それらについて本学会の担当理事や関係学術団体の指導者の方々に討論をしていただき,在るべき姿と会員への裨益を探ることを目的とする. |
2) | 「将来を期待できる若き消化器外科医とは」を語る 多くの優秀な消化器外科医を育て上げてこられた経験豊富な指導者,消化器外科学を現在牽引されている若手指導者としての先生方,から若手外科医に期待を抱く姿勢を語っていただきたい.また信頼度の高い消化器外科医を目指そうとする若い先生方に,どういう努力をしていただくべきかについても具体例をあげてご示唆をいただきたい.そしてご自身が実施してきた指導法の理念を述べていただき,また,近未来の消化器外科の方向性という視点からも若き消化器外科医に推奨したい生活姿勢・生き方の原則論についてご教示を賜りたい. |
3) | 今,共有すべき消化器外科領域の新しい医療安全対策 医療安全対策を如何に徹底するかが,病院経営の本質につながると示唆されてから久しい.それゆえに消化器外科領域においてもエビデンスに基づく各種の安全対策が実践されてきた.この間にさらなる工夫も試みられ,より密度の高い安全対策が取られている現状にある.そこで消化器外科領域に強く推奨されるべき医療安全対策について,標準的な方法論に加え,新たな対策を具体例にとりあげ,そのためのハードとソフト面の必須事項を教示・提案していただきたい.できれば,結果としてのアウトカムが存在する場合についてはそれを紹介していただきたい. |
4) | 今世紀初頭の消化器外科の動向を語る 臓器・組織別の疾患の治療,とくにがん治療における外科治療法の位置付けについて,日本のリーダーの方々に解説していただきたい.固型がんの治療の主軸は外科治療であるという動かぬ事実については,エビデンスをもって紹介するまでもない.そこでご専門の領域の各々について過不足のない手術療法としての切除・郭清範囲の基本的在り方について,その現状と将来について語っていただく,なかには内視鏡的治療,鏡視下手術,薬物療法,IVR治療,放射線治療などが導入され,治療法の組み立て方に変遷を認めたものもあり,それらと外科治療の位置づけについて,理念を中核として現状と将来を語っていただきたい. |
5) | 消化器外科領域の動向と日本の国際的役割:高レベルのエビデンスを提案できる国を目指して 医療の現場では,医療の質の向上を目的のひとつとした診療ガイドラインの利用・応用が浸透しつつある.昨今ではその有用性と問題点が討論されている.一方で,この間,日本発信の高質なエビデンス数が極めて少ないことに気付く機会ともなった.今後は日本の歴史と文化によって支えられる真摯な国民性,そして理念,価値観を日常臨床の場へ導入することによって,エビデンス創出のための医療環境を作り出すことは可能であり,国際基準を充たす消化器外科領域のエビデンス創成が少しずつみられている現状にある.その推進のために現状での問題点を抽出しつつ,国際的な役割を果たしうるために日本の消化器外科領域の臨床研究の環境に今何が欠けているのかを明白にするために臨床研究のご経験の紹介を含めて討論をお願いしたい. |
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