プログラム
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7.シンポジウム
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生体肝移植における脈管再建部の合併症 −対策と治療− 生体肝移植では脳死肝移植と異なり,部分肝グラフト移植のため,技術的に難易度は高くなる.それゆえ,移植後に脈管再建部の開存維持に不都合を生じうるなど局所合併症を生じやすいといえる.その解決は移植医の総合的力量に依存することになるが,たとえベテラン医といえども確実とは言い切れないことが多い.門脈再建では,門脈閉塞にて側副血行路が発達している場合などでの血管グラフト使用や再建経路への配慮,肝動脈再建では,術後の肝動脈閉塞の回避のための吻合法・再吻合法の工夫,肝静脈再建では,グラフト肝の非ドレナージ領域の定量,再建の必要性の有無の判定,バックテーブルでのグラフト肝の静脈形成によるout flow blockの防止,などか課題となる.脈管再建部の合併症対策と治療のベストチョイスについて,すぐに有用となる示唆をいただきたい.加えて,再建困難例で成すべき工夫についても論じていただきたい. |
2) |
02-1 消化器外科手術術式別の重症合併症とその発生防止対策 肝胆膵 02-2 消化器外科手術術式別の重症合併症とその発生防止対策 消化管 食道外科,胃外科,大腸外科,肝臓外科,胆道外科,膵臓外科などの消化器外科周術期における合併症の発生は,患者のQOLを低下し,入院期間延長を招き,時には短期生命予後や長期生命予後に影響を及ぼし,再発・転移へ悪影響を与えうることも考えられている.周術期合併症発生の防止は,消化器外科医にとって重要な課題で,栄養管理法や各種薬剤の投与,手術手技・器械などに対してさまざまな工夫が成されている.そこで本シンポジウムでは、消化器各臓器・組織の手術術式別に比較的発生頻度の高い重症合併症をとりあげ,その発生防止のための工夫や手技について論じていただきたい.それらの工夫,手技については確固たる成績やエビデンスを示した形の討論としていただきたい. |
3) |
肝転移巣摘除のタイミング ー定条件下にある肝転移の治療法については,外科的切除が第一選択とされてきたが,その後に再発する症例も少なくない.近年,切除可能例に対し,術前あるいは術後化学療法により,生存期間の延長が認められるとの報告や,切除不能例に対しては,化学療法後のダウン・ステージ化により肝切除が可能となる症例が生じうるなど,生存期間の延長または治癒が期待されるようになっている.これにともない,肝切除の適応,タイミングに変化がみられつつある.本シンポジウムでは肝転移巣に対する治療成績,各施設での新たな治療方針を含めた上で,今日における肝切除の適応とタイミングについて示していただきたい. |
4) |
04-1 消化器癌に対するリンパ節郭清の意義:適応と功罪 消化管 04-2 消化器癌に対するリンパ節郭清の意義:適応と功罪 肝胆膵 本邦のリンパ節郭清に関する一般的な基本理念は,「転移陽性あるいはその可能性のあるリンパ節を郭清すると術後生存期間に寄与する」に根ざしている.各種の消化器癌取扱い規約に添ったリンパ節郭清について,癌治療の均てん化の指標となりうる診療ガイドラインにおいても,基本的指針として提唱している.一方,リンパ節郭清に関する厳密な臨床試験結果に基づく確証が示されていないとの視点から,欧米からはその意義については疑問が投げかけられてきた.本邦の手術内容が世界標準手技となることを目指すためにも,各種消化器癌別にリンパ節郭清の意義をあらためて見直すとともに,その国際的発信を科学的根拠に基づいて成しうるか否かを語っていただきたい. |
5) |
日本における消化器癌データベース:真の貢献のための課題を探る 日本における消化器外科領域の疾患データベースあるいは治療法別データベースについては,個別に専門系学会主導で進められている.しかし,合併症発生率や死亡率などを分析しうる精密性については必ずしも十分な状況となっているとは言い難い.2007年に日本消化器外科学会として,術式を限定しての診療データベース構築が始まった.その意義と社会応用への方向性を探るとともに,各専門系学会が実施しているデータベースの構築あるいは,がん拠点病院が行おうとしている「がん登録」などについて横断的な体系作成の在り方を探るべく議論をしていただきたい. |
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