
日本看護学教育学会第19回学術集会長
石井 トク
すでに21世紀は激動の時代に突入し、08年の漢字が「変」と表されるように「激変」のときを経て、09年は「挑戦」の年といえましょう。
挑戦の先駆けとして、日本の北東、オホーツク圏に位置する北見市において日本看護学教育学会第19回学術集会を開催致します。期日は秋季、紅葉に輝く平成21年9月20日(日)、21日(月)の両日です。北東の紅葉は真紅ではなく、北米的な黄色を基準とした紅色です。そこに褐色のコントラストで模様が入った光景は、今に生きる私たちに自然の神秘への感動と、さまざまな示唆を与えてくれます。
北東の大自然に抱かれながら、「看護学教育」の真髄に触れたいと思います。そこでメインテーマを「未来を拓く看護学教育」と致しました。人々の健康問題を担う看護職に対する看護学教育の質によって受益者である一人一人の「幸福」を決定するからです。
「人は誰しも無限の可能性をもって生まれている」これは吉田松陰の言葉ですが、教育をドイツ語では“erziehen”と言い、これには「引き出す」という意味があります。
どの時代においても問題は多々ありますが、昨今ほど高度な能力を有する人材の育成が強調されたことはないと思います。それだけ学生の能力は低下している証しと言えましょう。
教育の本質に照らせば、看護学教育は「個々の看護師の人間力」が鍵です。また、看護は「人間力を培う」教育が不可欠です。そのためには、「看護教育力」が問われます。つまり「看護教育の質は教師力」であるといえましょう。
これらの3つの問いかけに応じて本学会は特別講演、教育講演、シンポジウムを企画しております。演者はそれぞれ専門の先駆者、第一線でご活躍の諸先生方です。
09年度から施行されている新カリキュラムに基づいた各教育機関の理念、目標、科目設定、教育方法・評価など、参加型ワークショップ、交流集会なども通して、有意義なディスカッションが期待できます。オホーツク圏、北東の大地から看護学教育を大いに語り合いましょう。
企画、実行委員そして協力して戴いた関係者一同、皆様の多数のご参加を心よりお待ちしております。